みかんは家庭でも育てやすく、毎年の収穫が楽しみな果樹ですが、「実が少ない」「味が薄い」「隔年でしか収穫できない」などの悩みも多く寄せられます。
実はその多くが “剪定の仕方” と “剪定のタイミング” によって改善できるのをご存じでしょうか?
みかんは、枝が混みすぎると日光が届かず、花芽がつきにくくなり、収穫量が激減します。
逆に、適切な時期に正しい方法で剪定すれば、収穫量が大幅に増えるだけでなく、ひとつひとつの実が甘くおいしくなるという特徴を持っています。
本記事では、果樹の管理に長年携わってきた筆者が、初心者でも迷わないように
・剪定の目的
・冬剪定と夏剪定の年間スケジュール
・収穫量UPにつながる剪定方法
・結果枝の見極め方
・よくある失敗と対処法
・年間管理カレンダー
をわかりやすくまとめました。
これからみかんの剪定に挑戦する方も、毎年の収穫量を安定させたい方も、ぜひ参考にしてください。
みかんの剪定はなぜ必要?収穫量を左右する理由

みかんは放置しても生育しますが、枝が混みあうと次第に日当たりが悪くなり、実の品質が低下します。以下のような問題が起きやすくなります。
枝が混みすぎると起こる問題
・花芽が形成されにくくなる
・実が小さくなり味が薄くなる
・風通しが悪く病害虫が増える
・隔年結果(1年おきの収穫)になりやすい
みかんの剪定は、
「光を内部まで届ける」「無駄な枝の養分消費を止める」
という目的があり、これが収穫量UPの鍵となります。
みかんの剪定時期はいつ?年間スケジュール

みかんは大きく「冬剪定」と「夏剪定」の2回で整えるのが基本です。
冬剪定(2〜3月):基本の形を整える
一年で最も重要な剪定がここ。
樹形を整え、枝の整理を行い、結果枝を育てるための準備をします。
夏剪定(7〜8月):徒長枝の除去・日当たり調整
徒長枝が増える時期なので、果実に光を当てるための調整が必要です。
みかんの生育スケジュール(目安)
・5〜6月:開花
・6〜7月:花芽分化
・7〜10月:果実肥大
・11〜12月:収穫期
冬剪定を遅く行うと花芽を切ってしまうため、時期厳守がポイントです。
みかんの剪定に必要な知識(芽・枝の種類)

剪定で最も重要なのが “どの枝が実をつけるのか” を理解することです。
結果枝(実をつける枝)
みかんは 1〜2年枝に実をつける 特性があります。
特に横向きで中段の位置にある枝は良質な実をつけやすい。
徒長枝
上に勢いよく伸びる枝。
養分を奪うだけで実をつけにくいため、早めの除去が必要。
車枝(同じ位置から複数の枝が出ている状態)
混み合いの原因になるため、1〜2本残して整理します。
内向き枝・交差枝
樹内が暗くなる原因。病害虫も発生しやすいため除去対象。
枝の種類を理解することで、収穫量UPが格段にしやすくなります。
冬剪定(2〜3月)の具体的な方法

冬剪定は、みかんの収穫量を大きく左右する最重要作業です。
基本の流れ
・樹高を抑える(高くしすぎない)
・混み枝・重なり枝の整理
・枯れ枝・病害枝を除去
・車枝を間引き光を通す
・結果枝を残し、樹勢をコントロール
理想の樹形
みかんは 「ひらがなのハの字」または「すり鉢状」 の形が理想です。
中心に光が届き、全体の葉が効率よく光合成できる形を目指します。
切ってはいけない枝
・枝先についた短い結果枝
・花芽が見える枝
・樹形のバランスを保つ主枝
初心者がよくやるミスが「結果枝の切りすぎ」。
これをやると翌年の実が激減します。
冬剪定の注意点
・切りすぎは逆効果(隔年結果を助長)
・2〜3年計画で整えると木への負担が少ない
夏剪定(7〜8月)の具体的な方法

夏は枝が強く伸びる季節。そのままにしておくと養分が枝に取られ、果実に光が当たりません。
夏剪定の目的
・徒長枝の勢いを抑える
・果実に光を当てる
・秋芽の充実を促す
夏に切るべき枝
・徒長枝(真上に強く伸びる枝)
・交差枝・内向き枝
・葉を多く消費する無駄枝
やりすぎ注意
夏に透かしすぎると果実が日焼けするため、
冬剪定の半分以下の量に抑えるのがコツです。
収穫量を増やすための剪定テクニック(プロの視点)

みかんは剪定の“質”が実の“量と味”に直結します。
光合成効率を最大化する
・樹冠内部まで日光が届くように枝を整理
・透かしすぎはNG、葉を適度に残すことが重要
結果枝の更新
古い結果枝は実がつきにくいため、1〜2年枝を育てて更新します。
隔年結果(裏年)を防ぐ
・実が多すぎる年は摘果で調整
・夏剪定で樹勢バランスを整える
・木を疲れさせすぎない
樹勢を読む
・徒長枝が多い=樹勢が強い
・枝先まで弱い=剪定を控えめに
・弱った木の強剪定は厳禁
剪定しないとどうなる?

光不足で実が甘くならない
みかんは光合成によって糖度が上がるため、枝が混んだままだと味が落ちます。
病害虫が増える
カイガラムシ・ハダニなどが増殖しやすくなります。
結果枝が老化し収穫量が減る
古い枝のままだと花芽がつきにくくなります。
隔年結果が固定化する
毎年の調整剪定が必要です。
よくある失敗と対処法

冬に切りすぎて実がつかない
→ 結果枝の切りすぎ。翌年は枝先を残す。
徒長枝ばかり増える
→ 樹勢が強すぎる。冬に強い枝を間引く。
実が小さい
→ 光不足。車枝の整理と透かし剪定が必要。
毎年収穫量が違う
→ 隔年結果。摘果と夏剪定で改善。
みかんの剪定の費用相場

一般的な剪定料金(1本あたり)
・低木(〜2m):3,000〜7,000円
・中木(2〜3m):7,000〜12,000円
・高木(3〜5m):12,000〜20,000円
料金が上がりやすいケース
・高所作業
・徒長枝が多く枝数が多い
・ゴミ量が多い
・摘果や消毒も依頼する場合
プロに依頼すべきケース

自分で切るのが難しい状況
・樹高が3mを超えている
・強剪定や全体のリセットが必要
・隣地に越境している
・毎年実つきが悪い
プロは木の状態や土壌、光の入り方まで総合的に見れるため、
根本的な改善が期待できます。
初心者向けの年間管理カレンダー

1〜2月:冬剪定
樹形を整え、余分な枝を整理。
3〜4月:施肥
果実の肥大に必要な養分補給。
5〜6月:開花・結実期
剪定は行わない。
7〜8月:夏剪定
徒長枝を処理し光を確保。
9〜10月:果実肥大期
病害虫対策と水管理。
11〜12月:収穫
翌年の剪定計画を立てる。
まとめ|みかんは剪定で収穫量と味が変わる
・みかんは剪定次第で収穫量が大きく変わる
・基本は「冬剪定+夏剪定」
・結果枝を理解することが最大のポイント
・切りすぎは逆効果
・年間管理を意識すれば毎年安定した収穫量へ近づく
正しい剪定は、みかんの甘さと収穫量を大きく底上げします。
ぜひこの記事を参考に、毎年おいしいみかんを育ててください。
