庭木伐採の費用相場はいくら?プロが教えるお手入れの基本

庭木の伐採に挑戦してみようとお考えですか?
自分で作業をすることで費用を抑えたり、庭木への愛着を感じたりできる一方で、準備や注意点をしっかり押さえることが重要です。

この記事では、初心者でも安心して取り組める庭木伐採の基本手順や必要な道具、安全に作業を進めるためのポイントを丁寧に解説します。

ただし、作業する木の大きさや周囲の環境によっては危険が伴う場合もあります。
その場合には、無理をせずにプロの業者に相談するのも一つの選択肢です。

自宅のお庭がどのような状況なのかを照らしあわせ、どちらの方法をとるのかいいのかこの記事を読んで判断してください。

自身で行うにしても、業者に依頼するにしても、安全第一でお庭をより快適な空間に整えましょう。

庭木伐採の費用相場

庭木の伐採は、大きく分けて2パターンあります。

・自分で伐採
・業者に依頼


それぞれによって費用が変わります。

自分で伐採

自分で伐採する際の費用の目安は1万5,000~5万円。
全額実費という形になります。

自宅の木の伐採に補助金制度はありません。
自治体のなかには森林所有者を対象として木の伐採に補助金制度を用意しているところもありますが、自宅の木にはそちらが適用されないためご注意ください。

業者に依頼

庭木の伐採費用の相場は、木の高さや重機を使用したかどうかによって異なります。

低木(木の高さが3m未満)1本あたり3,000~5,000円程度
中木(木の高さが3~5m程度)1本あたり8,000~1万8,000円程度
高木(木の高さが5m以上)1本あたり2万円〜3万円程度 

こちらを目安に業者から相見積もりをとることをおすすめします。

行者の伐採費用が高くなるケース

伐採に重機を使用した場合

クレーン車やユンボなどの重機を使用した場合、伐採費用が高額になります。
傾斜地にある庭木の伐採や木が高すぎて切り倒せない場合など、重機を使用することが多いです。

また、根が深く張られている場合も、抜根作業のために重機を使用します。

伐採に重機が必要かどうかは、見積もりの時点でお願いする業者に確認を取るようにしましょう。

抜根後の整地が必要な場合

抜根すると、お庭に大きな穴が開いてしまいます。
その際には穴を埋めて整地する必要があるため、重機を使い地面を平らに踏み固める作業を行います。

作業にかかる費用の目安は1㎡あたり400〜800円程度。
見積もりの際に抜根後のことについて確認するようにしましょう。

庭木の枝が大きく広がっている場合

木によっては枝がわかれて大きく広がるものもあります。
そういった木の場合、通常の木よりも伐採に時間や手間がかかるため費用が高くなることがあります。

また、切り落とした枝が多いと処分費用もそのぶん高くなることがりますのでご注意ください。

木を伐採するのに適した時期は?

木を伐採するのにもっとも適した時期は冬です。
具体的なシーズンは12月〜2月がよいと言われています。

その理由はさまざまですが、冬は樹木の状態が乾燥しているので、木が軽くなっており他の季節と比べて扱いやすいことが理由の1つ。

また、落葉樹の場合は冬になると葉が落ちるため作業がしやすくなる他、伐採した木を資源として利用する場合にも、冬に伐採した木の方が価値が高くなる傾向にあります。

これらの理由から庭木の伐採は可能なかぎり冬に行うことをおすすめします。

伐採に向かない時期

反対に伐採に向かない時期というものあります。
これは作業の面から向かないというケースもあれば、縁起の面からも向かないというケースもあります。
具体的には、以下の4つのタイミングが伐採に向かない日です。

・梅雨
・木の成長期
・つちの日
・土曜の日


それぞれ確認していきましょう。

梅雨

梅雨は雨が多く作業がしづらいため伐採に向かないと言われています。
また、木が雨に濡れると重くなってしまい伐採後に運びづらいなどの問題も起こってしまいます。

一方で梅雨の晴れまの日まで伐採後の樹木を放置してしまうと、害虫やシロアリがわいてしまうこともあるため、伐採後はすみやかに処分しなければいけません。

近隣住民とのトラブルなどすぐに伐採しなければいけない事情があるとき以外は、可能なかぎり梅雨時期の伐採を避けるようにしましょう。

木の成長期

ベストなタイミングは木の種類ごとに異なりますが、どの木を伐採する場合にも成長期は避けるようにしましょう。
木は成長期には大量の樹液を含んでいるため樹木自体が重く、また葉も青々と生い茂っているため作業がしづらくなっています。

こちらも「どうしてもすぐに伐採しなければいけない」という事情があるとき以外は避けた方が良いでしょう。

つちの日

土に触れてはいけない7日間を「つちの日」と呼びます。
この時期に木を伐採すると虫が入ったり、腐りやすくなったりすることが理由です。

つちの日には「大つち」「小つち」があります。
それぞれの具体的な日にちは以下の表をご覧ください。

大つち庚午(かのえうま)〜丙子
(ひのえね)
その月によって異なる
小つち大つちの期間が終わってから1日空けた7日間大つちに準ずる

大つちは干支の期間をベースに毎月異なる日付からスタートします。
両者とも呼び方が違うだけで、内容に違いはありません。

土用の時期

立夏・立秋・立冬・立春に入るまえの18日間は、土に触れてはいけない期間とされています。

こちらは、「土公神(どくしん・どこうしん)という土を司る神様が支配する時期のため、この時期に土に触ることで神様を怒らせてしまうと言われています。
ただし、土曜期間中でも「間日」と呼ばれる日があり、その期間は土公神が天上界へ行くため土に触ることもオーケーとされています。

伐採の流れ

自身で伐採する際には、以下の6ステップの流れで行います。

①お祓い・供養する (必要に応じて)
②木を倒す方向を決める 
③作業に邪魔な枝を切る 
④木(本体)を切る
⑤根を抜く 
⑥伐採した庭木を処分する


安全に配慮して伐採するようにしましょう。

根本から安全に伐採する方法

幹が太い木の伐採は、安全のために切り口をつける必要があります。
倒したい方向に向かって切り込み(受け口)を入れましょう。

その際の角度は30°~45°。
ひらがなの「く」の字になるように入れるのがポイントです。

切りこむ長さは木の直径1/4〜1/3が目安。
切りこみを入れる場所は地面ギリギリだと作業がしづらくなるので余裕を持った高さに入れるようにしてください。

切りこみが入りましたら、反対側から木を切り始めます(追い口)。
切りこみが中心近く(1/2程度)まで達した時点で自然に木が倒れますので、それで伐採は完了です。

高い木の伐採方法

高い木を伐採するとき、周囲に木を倒すスペースがないケースも少なくありません。
そんなときはロープで木に登り、うえから少しずつ切るという方法を取ります。

一気に切ることができないため手間と時間がかかる他、高所での作業になるため危険がともないます。
自身の安全の確保はもちろん、周囲の人への配慮にも気をつけてください。

背の高い木の高さを調整する方法(芯止め)

高くなりすぎた木を完全に伐採するのではなく高さをコントロールしたいというケースも少なくありません。
その際には「芯止め」という方法を行います。
これは主幹を任意の高さに切る剪定方法で、「トップカット」や「芯抜き」と呼ばれることもあります。

伐採に必要な道具

・剪定ノコギリ
・チェーンソー
・ショベル
・ハンマー
・ロープ
・ヘルメット
・作業着(長袖長ズボン)
・ゴーグル
・軍手
・長靴

チェーンソーは伐採の際に有効な道具ですが、慣れない人が作業をするには危険がともないます。
一方でノコギリはチェーンソーに比べて自身でコントロールができるぶん安全といえますが、こちらは力を使う作業になってしまいます。
筋肉痛になるほか、思わぬ怪我を招くケースもありますので、お気をつけください。

自身で伐採をするときの注意点

必ず「抜根」を行う

伐採は木を切るだけでは不十分です。
伐採したあとの切り株をそのまま残しておくと、転倒の危険性があるだけでなく、シロアリなどの害虫の住処になってしまうことがあります。

こういった事態を防ぐために、伐採時には確実に切り株を根本から抜く「抜根」まで行いましょう。

抜根の手順(4ステップ)

①土を掘る

根の周辺ににある土(外周全体)を掘ってください。
その際には手で作業するので半買う、スコップやシャベルを使用しましょう、

②根を綺麗にする

根っこについた土を落とし視認性を良くしましょう。
根の全体が目視できるとできないとでは作業効率が大きく変わってきます。

③地面についている根を切断する

まずはノコギリを使って地面についている根っこを切断してください。
おもての根がなくなることによって、このあとの抜根作業がしやすくなります。

④根を抜く

この段階になったらいよいよ根を抜きます。
ハンマーで叩いて根をもちあげ、あとは力いっぱい引き抜くだけです。

ただし、抜根作業にはかなりの力が必要です。
思わぬ事故や怪我につながることも少なくないため、無理に1人でやろうとせずに複数人で協力して行うことをおすすめします。

作業には無理は禁物

伐採作業は危険がともないます。
そのため自分でできる範囲を見極めることが大切になってきます。

また、抜根の際に切り株のなかからシロアリやハチが出てくる可能性もあります。
その場合、専門の業者に駆除してもらう必要が生じます。

安全に伐採できる範囲の目安は以下の通り。

・高さが3m以内
・幹の直径が20cm以下


これをどちらかでも超える場合は、事故のリスクが高くなるため、自身で作業はしないようにしましょう。

また自身で伐採した場合、伐採したあとの木の処分も大変です。
自治体の可燃ゴミに出す、ごみ処理センターに持ちこむといった方法の他に、造園業者・伐採業者に依頼する、産業廃棄物処理業者に依頼するといった方法を取ることになるため、結局は業者の介入が必要になるケースが多いからです。

それならば、最初からプロの手にまかせてしまうことも選択肢の1つになってきます。

まとめ

以上、庭木伐採の方法と注意点についてしてご紹介しました。
一見簡単に見えても、初めての作業では慣れない点や危険なポイントが数多くあります。
そのため、自身で行う際には事故や怪我に気をつけてください。

また、自身での伐採に不安がある方は専門の業者に伐採の依頼をするのも1つの手です。
この場合、自分でやるよりも早く綺麗に安全に作業が完了します。

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