「造園業界って怖そう」「元ヤンっぽい人が多いって聞いたけど本当?」
そんな噂、聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
そして本当に現場には「ヤンキー」と呼ばれる人が多いのでしょうか?
この記事では、実際に造園業界で庭師として働く筆者が、「造園業=ヤンキーが多い」というイメージの真相についてリアルな現場の視点からお話しします。
これから造園業界に就職・転職を考えている方、業界の内情に興味がある方にとって参考になる内容になっています。
なぜ「ヤンキーが多い」と言われるのか?

造園業界に限らず、建設業や土木業といった現場仕事の業界全般には、「元ヤンが多い」「上下関係が厳しい」「荒っぽい」などのイメージがつきものです。
造園業も例外ではなく、以下のような理由でヤンキーが多そうと見られてしまうことがあるようです。
学歴よりも腕前や体力が重視される業界
大学や専門学校に行かなくても就職できるケースが多く、若いうちから現場に出る人が多いため、いわゆる「やんちゃだった人」がいるイメージがある。
体力勝負+暑さ寒さに耐える根性仕事
夏は炎天下、冬は氷点下でも外作業。
タフで我慢強い人が多く「メンタルも強い=怖そう」と誤解されやすい傾向もあります。
髪型・服装が自由な職場も多い
造園業は見た目の自由度が高く、茶髪・ピアス・ヒゲなどOKな現場も珍しくありません。
これが人によって“元ヤンっぽく見えてしまうという印象につながることもあります。
実際に働いて感じた「リアルな現場の人たち」
「では、現場は本当にヤンキーばかりなのか?」
という疑問ですが、結論から言いますと「たしかにヤンキーと呼ばれる方は少数はいるのだろうとは思いますが、それはどの職種においてもいろいろな方がいるのと同様であって、一般的に持たれているイメージとは乖離している」というのがリアルです。
実際に現場で働いている私どもの感覚では造園業にヤンキーのイメージはなく、どちらかと言いますと若者より年配な方が多い職に感じております。
なかには、もしかしたらヤンキーと呼ばれる見た目の方もいらっしゃるかもしれません。
また、厳しい世界かもしれません。
低賃金で先輩から罵声を言われ、こき使われている業者の方もおありかもしれません。
しかし、私はヤンキーの方が必ずしも悪いという気もいたしません。
そう呼ばれている方々も大半が漢気のある方なのかもしれません。
それは一人ひとりの資質によるところだろうと思います。
いずれにしても、ただ一つ言えることはお客様にヤンキー(怖い人)と思わせてしまうのは、業務をしていくうえでのメリットが、業者・お客様双方にとってもないように感じます。
もしそういった感情にさせてしまえば、お客様は気持ちよく造園業者を利用することができなくなってしまうからです。
そのため多くの職人さんは、礼儀正しく自然や植物に真面目に向き合う人たちというのが現状だと感じております。
実際の造園業者に多いタイプの人たち
造園業を生業とされている方は、ざっくりタイプ分けすると以下の方が多いです。
・素朴で職人気質の人
・植物や庭に本気で愛情を持っている人
・昔ながらの上下関係はあるけど、後輩に優しい人
・お客様との対応も丁寧で、信頼されている人
つまり、「ヤンキーっぽく見える人がいる」というのは、なんとなく持ってしまっているイメージであ離、業界が荒っぽいということはありません。
造園業会のイメージと現実の意外なギャップ

意外と繊細で頭を使う仕事が多い
造園業は体力勝負と思われがちですが、実は「剪定のバランス」「季節の植え替え時期」「風通しと陽当たりの関係」など、知識と判断力も必要です。
力任せでは決してうまくいかない、職人の感覚と経験がものを言う世界でもあります。
礼儀やマナーを大事にしている人が多い
現場での作業とはいえ、お客様のお宅に伺う機会が多い業種。
挨拶や言葉遣い、現場をきれいに保つ姿勢など、「礼儀が身についている人」がほとんどです。
もし仮にヤンキーと呼ばれる見た目や性格の人を雇った場合でも、最低限のマナーを教えていることが多いからです。
群雄割拠の造園業者のなか、会社のイメージにつながるという意味でも若手の教育はマストと言っても良いでしょう。
実際にお庭番守でも身なり(清潔感)や言葉遣い、態度にはとくに気をつけてお客様と向き合っております。
若手の人材も増えている
お庭番守ではまだ人を雇うということはしておりませんが、大きな会社さんなどでは最近は専門学校を出た人や女性の庭師も増えてきており、昔ながらの職人集団という印象は徐々に変わりつつあるというのが現状です。
造園業界に向いている人・向いていない人

向いている人
・自然や植物が好き
・体を動かすことが苦ではない
・手に職をつけたい
・コツコツ作業を続けられる
・人とのコミュニケーションができる
向いていない人
・汚れる・暑い・寒い環境が耐えられない
・集中力を保つのが苦手
・丁寧な作業が嫌い
・上下関係や礼儀を面倒に感じる
とはいえ、最初は「体力自信ないけど大丈夫かな?」という人でも、だんだん慣れてくるケースも多いです。
むしろ、繊細な作業が得意な人のほうが重宝される場面もあります。
結論|見た目に惑わされず、現場で見て感じてほしい
「造園業=ヤンキーが多い」と言われる背景には「なんとなく多そうというイメージ」で判断されている部分が大きいと感じます。
実際に働いてみると、ほとんどの人は年配のベテラン職人であり、真面目でやさしく仕事に誇りを持っている方ばかりです。
もちろん業者や会社によって雰囲気は違いますし、合う・合わないはあると思います。
でも、先入観だけで業界を敬遠してしまうのは、正直もったいない。
これから造園業に興味を持っている方は、実際の現場を見に行ったり、職場体験・アルバイトから始めてみてはいかがでしょうか。
実際に自分の目でリアルな庭師の世界を確かめてみてください。
まとめ
・見た目がやんちゃな人は少数いるかもしれませんが、少なくとも私が知るなかでは存在していない
・誠実な職人が大半
・植物への愛情・礼儀・知識が求められる繊細な仕事
・最近は若手や女性も増え、業界イメージも変化中
・先入観で決めつけず、まずは現場を体験してみるのがおすすめ
「造園業=ヤンキーばかり」というイメージが少しでも払拭され、業界に一歩踏み出す人が増えることを願っています。